hatto

2025/11/05 18:14

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なぜあの小さな本屋に惹かれたのか──toi booksとの出会い

先日、夫の仕事の関係で大阪の本屋巡りをしました。
ブックカフェを含めて7、8軒ほど回ったのですが、その中で一番心に残ったのが、本町の雑居ビルの2階にある「toi books」という小さな本屋さんです。(今は駒川中野に移転されています)

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移転前のtoi booksさん

狭いのに、なぜか落ち着く空間

toi booksさんは広いお店ではありませんでした。 それなのに、不思議と落ち着ける雰囲気がありました。 並んでいる本の選び方や配置から、店主の方は本当に本が大好きなんだなぁという空気が伝わってきたんです。 私はその雰囲気がとても居心地よく感じられました。

他にも素敵な本屋さんはたくさんありました。
おしゃれでコンセプトもしっかりしているお店ばかり。 じゃあ、なぜtoi booksさんだけが特別に感じたのか。 その違いはどこにあるのか、帰ってからずっと考えていました。

本屋をやることが目的なのか、本を届けることが目的なのか

考えた末に行き着いたのは、「目的の違い」でした。
多くの店の目的は、本屋をやること、ブックカフェをやること。
一方でtoi booksさんは、多くの人に本を届けることが目的なんじゃないか。 そんな気がしました。

本屋をやることが目的だと、店内の空間は整えられた舞台のようになります。 美しく演出された空気感がある。
対して、本を届けることが目的だったら、空間を整えることがメインではなくて、自然と店主の熱量が空間に乗っかってくる感じです。 うまく言えないですが、その違いを肌で感じたような気がします。

どちらもおしゃれな本屋さん。 ただ、同じおしゃれさでも、お店をやることが目的の場合は演出された空気感があって、本を届けることが目的の場合は、おしゃれさが副産物としてついてくる感じとでも言うのでしょうか。
私は後者の、副産物として生まれるおしゃれさの方に居心地の良さを感じるんだと思いました。

目的と手段が整っている場所の心地よさ

ふと思ったんですが、この感覚って本屋だけじゃないかもしれないですね。 カフェでも、雑貨屋でも、同じようなことがあるような気がします。
もっと言えば、SNSのアカウントや人間関係にも当てはまるんじゃないかな、なんて考えたりもしました。

目的が明確な時、手段は自然と整っていくもの。 本を届けるという目的が明確だからこそ、どんな本を選び、どう並べるかという手段も自然と決まってくる。

つまり、私が居心地が良いと感じるのは、目的と手段が整っている場所なんだと思います。 目的にブレがないと、手段は自然に洗練されていく。 その自然さが心地いいんでしょうね。

あなたが居心地が良いと感じる場所は?

今回の本屋巡りで、「目的と手段」について改めて考えるきっかけをもらいました。 皆さんはどうでしょうか。 居心地が良いと感じる場所には、どんな共通点がありますか。