hatto

2025/10/29 18:46

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「点」ではなく「線」で見ること

わが家には6歳になる息子がいます。
地域のサッカーチームに所属してもう1年が経つんですが、正直なところ、ほとんど上達してない。いや、上達してないことはないけど、自主練習はしないし、チームの練習でもコーチの話をちゃんと聞いていなかったり、ふざけたり、すぐに「疲れた」と言ったり。

親から見ると「本当にサッカーが好きなのかな」と思ってしまうような態度なんですが、本人に聞くと「サッカーが好き」と答えるんです。

サッカーはチームプレー。
だから「頑張らないと他のチームメイトも困るよ」といった話をしたり、反対に、「○○が頑張るとチームのためになるよ」と話したり。本人とも何度も話し合いをしました。それでも、なかなかやる気を引き出すことができずにいました。

 

体験に来た子を見て気づいたこと

そんなある日、サッカーチームに体験の子が来ました。
幼稚園が同じだった子で、慣れない環境の中で一生懸命練習に参加していて、その子のシュート練習の様子を近くで見ていたんです。

一生懸命ボールを蹴って、外してしまっても、また頑張る。
「すごく頑張ってるなぁ」と思いながら見ていました。

そのとき、ふと思いました。
たぶん今この子と目が合ったら、私は「すごいね、頑張ってるね!」と声をかけるだろうな、と。でも、もしこれが息子だったら、素直に褒めてあげられるだろうか。
そう考えたら、ちょっと躊躇してしまうかもしれないと感じました。

 「線」で見ることと「点」で見ること

なぜ素直に褒められないのか。それは、今頑張っている一瞬の「点」だけを見ているのではなく、これまでの積み重ね、つまり「線」で見てしまっているからだと気づきました。

その一瞬は頑張っていても、これまでずっと頑張れていなかったこと、真面目に取り組んでこなかったことが頭にあって、素直に褒められない。
そういう状態だったんです。

子育てにおいて「点」ではなく「線」で見ることは、もちろん大切なこと。でも今回のサッカーの件では、それがマイナスに働いてしまっているのかもしれない、と思いました。

 

未来への「線」を引くために、今の「点」を認める

じゃあ、どうすればいいのか。
過去の「線」を見て今の「点」を褒められなかったのなら、その視点を未来に向ければいいのかもしれないと思いました。

まだできていない未来の「線」を子ども自身が引いていけるように、今頑張った一瞬の「点」をしっかり認めてあげる。それが大事なんじゃないかと。

たとえばシュート練習ですごく頑張っていた。今までちょっとふざけてしまうことが多かったとしても、その一瞬は本当に頑張っていた。それがわかったら、その頑張った「点」を褒めてあげる、認めてあげる。「すごいね!」「こんなこともできるんだね」「頑張ってるね」って声をかけてあげる。

そうすれば、親ではなく息子自身が、次に向かって「線」を引いていけるんじゃないか。そんなふうに感じたんです。

今回の気づきは、日々の子育ての中でふと訪れたものでした。
完璧な親である必要はないし、いつも正解を出せるわけでもない。
それでも、子どもの「今」をちゃんと見てあげること、その積み重ねが、きっと未来につながっていくんだろうなと思います。