hatto

2025/10/08 22:24

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地域の夏祭りで実感した「所属感」の変化|親になって見えた地域とのつながり

先週、地元の小さな夏祭りに参加しました。
地域のお店や団体が中心になって開催するこの祭りは、屋台が数十軒出る、地元ではまあまあ大きなイベント。
途中で雨に降られて滞在時間は2時間程度だったんですが、その短い時間で10人以上の知り合いと出くわして、声をかけられました。
歩いているだけで知った顔があちこちにあり、気軽に声をかけてもらえる。
この体験が、私にとってすごく印象的な出来事になりました。

子ども時代に感じていた「輪の外にいる感覚」

私は大阪で生まれ育って、今も大阪に住んでいます。
両親は地方から大阪に出ていて、近くに知り合いはいませんでした。
父も母もコミュニケーションが得意な方ではなく、母がママ友と談笑している姿もほとんど記憶にありません。
覚えているのは、近所のおばあちゃんたちと挨拶を交わす程度。
そんな環境で育った私は、家族で地域の祭りに参加しても、誰かから声をかけられることはほとんどありませんでした。
会場でクラスメイトに出会うことはあっても、家族ぐるみの付き合いがある友達の親同士が親しそうに話している光景を目にすると、「私たちは輪の外にいるんだ」という感覚を子どもながらに抱いていました。

4年前と今年の夏祭り、何が変わったのか

いま住んでいる場所も大阪ですが、夫と私にとって特別なゆかりがある土地ではありません。
結婚を機に移り住んだ場所で、両親と同じように近くに知り合いがいない状況からのスタートでした。
初めてこの夏祭りに参加したのは4年前のこと。
当時2歳だった息子と夫の家族3人で楽しい時間を過ごしましたが、コロナ禍でイベントが減少していた時期でもあって、人との接点は限られていました。保育園にも入れず、知り合いもほとんどいない状況で、声をかけられることもありませんでした。

でも今年は全く違いました。
歩いているだけで次々と知った顔に出会い、「○○くんのママ」「○○くん」と声をかけてもらえます。たった2時間の間に10人以上の人と、挨拶や立ち話をするという体験は、私にとってとても新鮮でした。

子どもがもたらしてくれた地域とのつながり

この変化は、もちろん私一人の力ではありません。
息子が学校に通って、地域のサッカーチームに参加することで、自然と人とのつながりが生まれていきました。
親になると「○○くんのママ」「○○くんのパパ」というラベルがつくことがあります。それは個人としての自分が見えなくなるような感覚を覚えることもありますが、同時に「親」という役割は、社会や地域とつながるきっかけを与えてくれる重要な役割でもあるのだと実感しました。
子どもは私たちに親という新しい役割を与えるだけでなく、地域社会への扉を開いてくれる存在でもあるんあだなぁと。

「所属感」を実感した夏祭りの意味

幼い頃に感じていた「輪の外にいる」という疎外感。
4年前の祭りでは感じていた、楽しいけど地域への所属感は薄いという感覚。
そして今年、多くの人に声をかけてもらって、立ち話を楽しむという変化。
たった2時間の出来事だったんですが、この変化は私にとってとても大きな意味を持つものでした。
地域とのつながりは一朝一夕に築けるものではありません。
毎日の積み重ねと、子どもを通じた自然な交流が、いつの間にか確かな絆となって現れるのだと感じています。
親になることで得られる地域との結びつきは、子育ての大きな副産物の一つなのかもしれません。