hatto

2025/04/25 09:25

新商品に込めた思い ~家族の絆を育む読書時間~

これまでは、商品が完成し、
皆さんにお届けできる体制が整ってから
初めてお披露目してきました。

でも今回は初めての試みとして、
商品が生まれるまでの道のりや、
そこに込めた私たちの思いも、
お伝えしていこうと思っています。

家族みんなが読書家だからこそ見えたアイテム

さて、気になる新商品ですが、それは「真鍮のしおり」です。

たくさんあるアイテムの中から、
なぜ「しおり」を選んだのか。
そこには、私たち家族の日常が深く関わっています。

我が家は6歳の息子と夫、そして私の3人家族。
家族全員がそれぞれに読書を楽しむ時間を持っています。

私は文庫本や単行本の小説を読むことが多く、
夫は小説に加えビジネス書などをよく読んでいます。
息子は読み聞かせだけでなく、
自分で絵本をめくる時間も大好き、
図鑑を眺めていたりします。

このように、読む本のジャンルも違えば、
本のサイズもいろいろです。

そんな「読む」という共通の行為を持ちながら、
家族みんなで共有でき、
それぞれの読書時間にも寄り添えるアイテムは何だろう?
と考えたとき、自然と「しおり」という選択肢が
浮かび上がってきました。

どんなサイズの本にも使えて、
個人の読書時間に寄り添いつつ、家族みんなで使える。
これが、今回の新商品のはじまりでした。

デザインより先に考えること

アイテムが「しおり」に決まったら、次はデザインを考える・・・
と思われがちかもしれません。

でも、私たちが商品を考える上で、デザインよりも先に、
そして一番大切にしている工程があります。

それは、「このアイテムを通して、どうすれば
家族のつながりを作ることができるだろうか?」

と深く掘り下げることです。

この段階ではまだ、
「しおりが家族をつなぐものになる」という
漠然としたイメージはあるけど、
それを誰にでも伝わる言葉に落とし込めていない状態です。

この抽象的なイメージを具体的な言葉にして
そのアイテムが家族にとってどんな意味を持つのか
丁寧に定義していく作業が、
その後のデザインや仕様を決定する上での
揺るぎない「軸」になります。

だからこそ、この工程には時間をかけ、
夫婦で何度も話し合いを重ねながら進めていきます。

単に美しいもの、便利なものを作るのではなく、
使う人の心に寄り添い、家族の温もりを感じられるものにしたい
という思いが、この開発プロセスにつながっています。

読書という「孤独な時間」と、家族を感じる「しおり」

では、「しおり」と「家族」は、どんな風に繋がるのか。
ここで、私がとても好きな太宰治の言葉を引用させてください。

それは、
「本を読まないということは、その人は孤独ではないという証拠である。」
というフレーズです。

この言葉の解釈は人によって色々だと思いますが、
私はこれを聞いて、読書という時間は、その本の世界に深く没頭する、
ある意味で「孤独」な時間とも言えるのではないか
と感じました。

もちろん、この「孤独」はネガティブな意味だけではありません。
誰にも邪魔されずに物語の世界に浸ったり、
じっくりと知識を吸収したりする時間は、
自分自身と向き合う大切な時間です。

それは、心を休ませ、
新しい自分を発見するための豊かな孤独とも言えるかもしれません。

そんな、ある意味「孤独」な読書時間の始まりと終わり
つまり、本を開くときと、読み終えて本を閉じるとき。

もし、その瞬間に、
家族の気配や温もりを感じさせる「しおり」があったら、
読書の時間はさらに豊かなものになるのではないかと考えたのです。

しおりを手にするたび、家族の顔が浮かんだり、
同じデザインのしおりを家族も使っていると思ったりする。
そうすることで、読書という個人的な「孤独」な時間が、
ふと「家族とのつながり」を感じられる時間へと変わる。

真鍮に込めた願い ~共に時を重ねるしおり~

今回、素材に「真鍮」を選んだことにも、特別な思いがあります。
真鍮は、使い込むほどに味わい深い色合いへと変化していく素材です。

それはまるで、家族と共に過ごす時間、
共に積み重ねる思い出のように、一つとして同じものはありません。

家族それぞれの読書時間を見守り、共に時を重ねることで、
世界に一つだけの、家族の物語が刻まれたしおりへと育っていく。
そんな願いを真鍮という素材に込めています。

この「真鍮のしおり」が、家族それぞれとの読書時間を過ごしながら、
ふとした瞬間に家族の存在を思い出させ、
心の距離を少し近づけるような、
そんな温かいアイテムになることを願っています。

これからの道のり ~商品誕生の裏側をお届け~

この後、デザインの具体化、試作品づくり、制作、
そして皆さまにお届けするための準備と、
いろんな工程を経て、新商品は誕生します。

真鍮のしおりが形になっていく様子や、
開発の裏側にある小さなエピソードなども、
お伝えしていきたいと思っています。

商品の完成まで、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
このしおりが、皆さんの読書時間を、
そして家族との時間を、より豊かにするお手伝いができますように。